「パラサイト」は全ての表情、人物の映写の意味を鑑賞後も深く考えさせられる
とても興味深い映画だった。
全キャストが本当に、本当に、貧富のその階級に属した素晴らしい演技で
半地下家族・地下家族が映った時は私も彼らの臭いを感じたほどであった。
特に父役のSong Kang Hoの演技(金持ち家族に臭いや言葉遣いを言われ、自分が差別対象だと気づいた時)の憎悪に満ちた表情は
鑑賞者全員、鳥肌が立ったのではないだろうか。
洪水で半地下が大変な中
彼は呑気な金持ち家族のパーティーでインディアンの変装をさせられ
地下の住民に娘が刺され
あげく、地下家族の臭いに、鼻を歪められたのにはもう耐えられなかったのだろう。
地下家族は半地下家族を憎しみ、
半地下家族は地上の家族を憎む。
地上の裕福層は呑気で鈍感で、決して下を見ない描写も圧巻だった。
テーブルの下も見ない、床も見ない、ベットの下も見ない、そして地下に何年も寄生している人間にも気づかない。。。
貧富の差は、思想がその階級に染みついているからこそ、生涯変わることはないのだろう。
半地下家族は「無計画」であるからこそ何も成し遂げられず、
大学生の友人からもらった「石」(これは金や名誉を象徴している...?)に依存し、
最終的にはその石が負け人生を再び過ごす仇となってしまった。
下剋上をヒーロー化するような単純明快な映画ではなく、
何回見ても消化不良を起こしそうな複雑さにが面白く、今日、映画界が盛り上がっているのだろう。
家政婦が桃アレルギーで、桃の毛に咳する姿や
ティッシュに付いた血に絶望・落胆する金持ち母のシーンは爆笑だった。