歌舞伎にはひと昔前にどハマりしていたため、素人が歌舞伎をやるなんて無理だろうと、国宝が話題になっていましたが、観る気はありませんでした。しかし知り合いに激推しされ、観ることに。冒頭から、子役2人や渡辺謙さんらベテラン俳優達の演技に引き込まれ、吉沢亮さんの曽根崎心中で完全に白旗を揚げてしまいました。凄い。吉沢さんは才能もお持ちでさらに大変な努力をされたのだと思いました。また横浜流星さんも、複雑な御曹司という難役をピッタリこなされていて、藤娘も道成寺も巧みに踊られていて驚きました。若い二人の喜び苦しみにスケールは違いますが自分を重ねて苦しくなり、そして田中泯さん演じる女形の最高峰の役者と吉沢さん役との長年の関わりがリアルで心を掻き回されました。自分が誰よりも1番認めてもらいたい、心奪われた孤島の名人と天涯孤独な天才。また、寺島しのぶさん演じる梨園の母もリアルすぎて苦しいほどでした。実際梨園に育ち、フランス人の血を引く息子さんが成長期という寺島さんが、良くこの役を演じたな、と正直驚きました。彼女もまた修羅なのでしょうか。ラストの「鷺娘」、好きな演目なのですが、音響とカメラワークで映画ならではのドラマチックな演出で、舞台とはまた違う素晴らしい物に仕上がっていて圧巻です。とにかくこの映画は映画館で見て欲しいです。