ネタバレありで評価します。
JR東日本の全面協力ということもあり、新幹線の映像美は見事。リアリティある映像が撮れるアドバンテージがある中、これほどの駄作に仕上げた監督と脚本の腕は見事と言うしかない。
キャラクターや、各設定の作り込みが甘く、映画前半から違和感を所々で感じます。ストーリーが進むにつれ、その違和感はどんどん大きくなり、まったく作品に没入することが出来ません。
まず、犯人が女子高生というのが無理があります。時速100km以下になると爆発する爆弾で、威力も相当なものを、複数車両に仕掛ける犯人が、修学旅行中の女子高生って……。ピエール瀧演じる共犯者がいたとしても、リアリティがなさ過ぎます。
また、女子高生犯人の動機も??です。
父親に虐待を受けた復讐として、父親のアイデンティティである新幹線に爆弾を仕掛けたという設定……まぁ、分からなくもないですが、1連の事件は、父親が知ることなく展開していきます。中盤に、父親に電話で「自分が犯人だ」と打ち明けた後、すぐに父親を爆弾で殺すため、新幹線に爆弾を仕掛けた意味がまったくありません。
父親が娘の犯行に苦悩するだとか、世間からバッシングされる時間があるなら、まだ分かりますが、そんな時間もなく爆死。
ちなみに、この爆弾も部屋の棚の上にちょこんと置かれているサイズ感なのに、ご近所も巻き込むレベルの大爆発を起こします。
さて、残された新幹線の爆弾ですが、なんと解除方法は、女子高生が死ぬことだとか。女子高生が死ぬと、心臓に埋め込まれた機械(?)から、爆弾に停止信号が送られるというもの。
女子高生の技術力に脱帽します。
この時点で、数人の乗客、運転手、そして、主人公的なポジションの草彅さん演じる車掌、そして、重傷を追った後輩の車掌が新幹線に乗っています。
女子高生が爆弾の解除方法を皆に打ち明けたあと、このメンツで1番やっちゃ駄目だろと思う草彅車掌が、女子高生の首を絞めて殺そうとします。その理由も、重傷の後輩を早く病院に連れていきたいという超個人的なもの。
結局、殺し切る前に、女子高生の首から手を離しますが、ドン引きです。もしかしたら電車だけに、トロッコ問題のオマージュなのかも知れませんが、違和感しかないストーリー展開でした。
結局、対策本部が、時間がない中、悠長に模型を並べて考えた冗談みたいな救出作戦に従って、全員が助かります。
殺人未遂を起こした草彅車掌は、まるで何事かやり遂げたみたいな振る舞いでエンディングとなります。
ちなみに、草彅さんの演技は終始、AIの機械音声かな?といういつも通りの感じでした。